新型コロナウイルスの影響で、不動産会社では対面の営業が難しくなり、急速なデジタル化が進みつつあります。

SNSを活用した広告宣伝活動やVR内覧、オンライン会議システムでの営業などを導入した会社も多いのではないでしょうか。

しかし、SNSやオンライン会議システムは便利ですが、不正アクセスなど情報漏洩につながる危険もあります。

今回は、不動産会社における個人情報の流出を防ぐ方法や、SNSにおけるセキュリティ対策についてご紹介します。

不動産会社は絶好のターゲット？

コミュニケーションの手段は電話からメールへ、メールからSNSへと変化しています。
個人間だけでなく、企業も宣伝や顧客との連絡手段にLINEやFacebookなどSNSを活用し始めました。

特に不動産会社は、画像や動画を利用して視覚的にアピールできるので、SNSマーケティングとの相性は抜群です。情報拡散から相互コミュニケーションまで行え、顧客の獲得につながります。

しかし、SNSにはアカウントの乗っ取りなどの危険が潜んでいます。また、情報リテラシーやセキュリティに関する意識が低い従業員が、気づかずに個人情報をもらしてしまうかもしれません。

万が一の事態に備え、不動産会社に特化したセキュリティ対策をおすすめします。

不動産会社が個人情報の流出を防ぐ方法とは？

個人のプライバシーにかかわる個人情報を取り扱う際のルールを定めた「個人情報の保護に関する法律（通称：個人情報保護法）」。改正を経て、個人情報をデータベース化して事業に利用している事業者すべてが法律の適用対象となりました。

まず、個人情報とその取り扱いについて確認しましょう。

・名前や住所、生年月日、顔写真など、個人を識別できるもの
・マイナンバーや免許証番号など個別に割り振られている公的な番号や指紋、声紋など

取得：利用目的を決め、公表したり、本人に知らせる必要がある
利用：決めた目的の範囲内で利用し、異なる目的での利用は本人の同意が必要
保管：漏洩しないように安全に管理し、取り扱う従業員を教育する必要がある
譲渡：本人以外の第三者へ渡す場合、本人の同意が必要（業務委託先、法令に基づく場合などを除く）
開示：本人から開示・利用停止など請求があった場合、取り扱いについて苦情があった場合、すみやかに対処する必要がある

いずれも常識的なことばかりで特別なことはありません。普段からの心がけが大切なのです。

（※参照：政府広報　https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201703/1.html）

個人情報の流出は不正アクセスだけでなく、従業員や業務委託先など内部原因の場合もあります。

紛失や盗難を防ぐため、メモやファイルなどの紙類の持ち出しや、USBメモリ・スマホ・ノートPCなど持ち出せる機器での個人情報の管理はやめましょう。

「このくらいは大丈夫」「急いでいるから」とルールを破ることがないよう、従業員への情報リテラシーとセキュリティに関する教育を行う必要があります。

個人情報を閲覧できる範囲は限定し、IDやパスワードで制限をかけ、そのIDやパスワードは厳重な管理します。

もちろん、外部からの不正アクセスへの対策も行わなくてはなりません。ウイルスの検知・除去やファイアウォールなどの機能を持つセキュリティ対策ソフトの導入は必須です。

もし万が一、流出してしまったときには本人へ通知と、類似する事件を防ぐために公表する必要があります。

SNSアカウントを守るためのセキュリティ対策も行いましょう。

・受信したメッセージに書かれたURLを開かない
・IDとパスワードは、ひとつのサイト、ひとつのアカウントごとに設定
・パスワードは数字・アルファベット大文字小文字・記号をランダムに組み合わせた10文字以上
・セキュリティ対策ソフトは常に最新の状態にする

個人でSNSを利用する場合と同じで、常識的な対策です。
メッセージに書かれたURLは、ウイルス感染やフィッシングサイトへの誘導の可能性があるため、開かないようにします。IDとパスワードの使いまわしはやめ、また強いパスワードを設定しましょう。

そしてセキュリティ対策ソフトを更新し、最新の攻撃に対応できるようにしておくことも大切です。

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